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顎関節症の原因と歯科医院での治療法

▼目次

1. 顎関節症とは?その症状について

2. 顎関節症になる原因

3. 歯科医院で行う顎関節症の治療法

4. 顎関節症のセルフケアと予防方法

 

はじめに

顎関節症とは、顎の関節やその周囲の筋肉に異常が生じる疾患の総称です。この関節は耳のすぐ前に位置し、口を開けたり閉じたりする動作や、食事、会話といった日常生活に欠かせない活動を支えています。顎関節を構成する組織は主に下顎骨・側頭骨・関節円板ですが、これらの組織に何らかの不調が生じると、その動作が困難になるばかりでなく、強い痛みを伴うことも少なくありません。では、具体的にどのような症状が現れるのでしょうか?主要な症状をいくつか挙げてみましょう。
 
 

1. 顎関節症とは?その症状について

 

顎の痛み・不快感

この痛みは顎を動かすときに現れることが多く、痛みや違和感、さらには頭痛や耳の奥深くまで影響を及ぼすこともあります。痛みの程度は人それぞれで、一時的なものから長時間続くものまでさまざまです。
 

音がする

顎を動かすときに「コキコキ」や「ゴリゴリ」あるいは「ジャリジャリ」という音がすることがあります。この音は関節円板の位置異常や穿孔によって発生することが多く、口の動作に伴って痛みを伴うこともあります。聞き慣れない音がする場合は早めの診察が望ましいです。
 

口の開閉制限

顎関節症に罹ると、口を大きく開ける際に口が開かない、または開け閉めの際に「引っかかり」のような感覚を覚えることがあります。これは関節の動きが正常でないために発生します。
 

顎の非対称性

顎関節症が進行すると、顔全体のバランスが崩れることがあります。左右の顎の動きが不均衡になると、日常的に使用する筋肉の収縮に左右差が起きて顔の歪みが生じることがあります。この非対称性は見た目だけでなく、機能的な問題も引き起こします。
 
 
顎関節症は多様な症状を引き起こしますが、その原因もまた多岐にわたります。
次にその具体的な原因について見ていきましょう。
 

耳鳴り・難聴・原因不明のめまい

前述の通り顎関節は耳の前方に存在します。顎関節症になり顎関節やその後部組織が圧迫されることで耳のそばを通る神経まで圧迫されることにより耳鳴りや、原因不明のめまいが起こることがあります(コステン症候群)。他科で原因不明とされた目眩の原因が噛み合わせの悪さとそこから併発する顎関節症が原因であったということもありますので、もしお困りの方は一度、噛み合わせと顎関節の検査を受けていただくのも良いかもしれません。
 
 

2. 顎関節症になる原因

顎関節症の原因は様々ありますが、一つの原因ではなく、複数の要因が絡み合って症状を引き起こすことが一般的です。顎関節に負担がかかる要因を取り除くことで、顎関節症の発症予防や症状の改善に繋がることが多いです。代表的な原因を見てみましょう。
 

噛み合わせの問題

不正咬合、つまり歯並びや噛み合わせが悪いことが大きな原因の一つです。噛み合わせが悪いと、顎に不自然な力が加わり、関節や筋肉に負担がかかります。これにより、顎関節の摩耗や変形が進行し、痛みや不快感が生じます。
 

ストレスによる歯ぎしり

精神的ストレスや緊張が、顎関節症を引き起こすこともあります。ストレスが溜まると、無意識に歯を食いしばることがあり、それが顎関節に負担をかけます。また、睡眠中にも歯を食いしばることがあり、これが慢性的な痛みを引き起こす原因になります。
 

姿勢や食事の習慣

長期間にわたり無理な姿勢を取ることや、片側の歯でばかり食事をすることも原因となります。これにより顎の筋肉に慢性的な負荷がかかり、症状が発生します。特にパソコン作業やスマートフォンの使用が長時間に及ぶと、姿勢の乱れが顎関節に与える影響は大きいです。
 
 

3. 歯科医院で行う顎関節症の治療法

顎関節症の治療は、症状の軽減と根本的な原因の解消を目指して行われます。主に当院で行っている治療法として、以下の方法があります。
 

①スプリント療法

スプリント療法は、マウスピースを使用する治療法です。スプリントとは上顎あるいは下顎の歯列に被せるプラスチックの装置(マウスピース)です。スプリントは夜間装着し、顎の関節や筋肉にかかる負担を軽減します。また、歯の摩耗を防ぐ効果もあります。スプリントの装着によって、歯ぎしりや食いしばりの影響を和らげることができます。
 

②理学療法

マニピュレーションという下顎骨の位置を整復する処置や顎周辺の筋肉をマッサージして筋肉の緊張を軽減します。筋肉をほぐすことで血流を改善し、痛みを軽減します。
 

③歯列矯正治療

噛み合わせによる影響が強いと判断した場合は根本的解決法として矯正治療を行う場合もあります。歯の位置異常があれば、理想的な噛み合わせを獲得することは叶いません。矯正治療は審美性を獲得することもできますが顎関節や歯の機能の保護のために非常に重要な治療法です。
 

④補綴治療(被せ物)

歯列がある程度整っている方で歯の形態異常によって噛み合わせが悪い場合は補綴治療によって噛み合わせを改善することも可能です。噛み合わせが改善できることで顎関節の位置異常を改善することが出来る場合もあります。また、③の歯列矯正治療と併用することでさらに大きなベネフィットを得ることが出来ることもあります。
 
 

4. 顎関節症のセルフケアと予防方法

顎関節症を予防したり、その症状を軽減するためには、日常生活でのセルフケアが重要です。以下に、セルフケアと予防方法をいくつかご紹介します。
 

➀正しい姿勢

長時間の座位作業やスマートフォンの使用時には、正しい姿勢を保つことが大切です。姿勢が崩れると顎関節にも影響を及ぼすため、背筋を伸ばす習慣を心がけましょう。デスクワークの環境を整えることや、定期的に休憩をとって姿勢をリセットすることも重要です。
 

➁歯ぎしりの対策

ナイトガードと呼ばれるマウスピースを装着して、夜間の歯ぎしりを防止することができます。歯ぎしりは顎関節に非常に大きな負担をかけるため、その対策が重要です。ナイトガードの適切な使用方法については、歯科医師に相談しましょう。
 

➂ストレス管理

ストレスは顎関節症の悪化要因です。適度な運動を取り入れて、日常的にストレスを軽減する工夫をしましょう。ヨガや深呼吸の練習も有効な手段です。
 

➃均等に噛む

食事の際には、片側だけでなく両側の歯を均等に使って噛むように意識しましょう。これにより、片一方の顎に過剰な負担がかかることを防げます。
 

➄就寝前に血糖値を上げない

就寝直前に血糖値が上がるような飲食をすると、睡眠中に血糖値が急激に下がり低血糖状態になることがあります。そうすると歯軋りや食いしばりを惹起してしまいます。これにより顎関節部への圧迫が誘発されてしまいます。就寝2時間前からはなるべく血糖値が上がるような飲食を控えることが有効な予防法といえます。
 

⓺日中に上下の歯を当てない

食いしばりと聞くと『ギューッ』と強い力で噛むことをイメージされると思いますが、上下の歯が接触しているだけでも歯や歯を支える骨にはダメージとなります。そして筋肉も常に緊張状態となり、これが長期間続くと顎関節が圧迫されていき関節円板や下顎骨の位置異常などが起こる可能性があります。深呼吸をする際に鼻から吸って口から吐き、そのまま唇を閉じると上下の歯が接触することなく過ごすことが出来ると思います。是非試してみてください。
 
 

まとめ

顎関節症は、日常生活に多大な影響を与える疾患ですが、早期に介入することで改善することが可能です。また長期間顎関節症であっても現状よりも悪化することを防ぐことが可能になります。どちらも適切な治療とセルフケアが重要な鍵となります。この記事を参考に、まずはご自身の症状や原因を理解し、早期に対応することが大切です。
 
 



監修

関歯科診療所
院長 関 豊成


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